伝説へまた一歩 李知姫、圧巻の選手権V
50回の記念大会、『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(賞金総額2億円・優勝賞金3,600万円)大会最終日が9月10日、岩手県八幡平市・安比高原ゴルフクラブ(6640ヤード/パー71)で行われ通算5アンダーで、李知姫が今季初優勝。2位は通算3アンダーのイミニョン、3位は通算2アンダーの東浩子が入った。(天候:曇り 気温:20.7℃ 風速0.9m/s)
50回の記念大会、『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(賞金総額2億円・優勝賞金3,600万円)大会最終日が9月10日、岩手県八幡平市・安比高原ゴルフクラブ(6640ヤード/パー71)で行われ通算5アンダーで、李知姫が今季初優勝。2位は通算3アンダーのイミニョン、3位は通算2アンダーの東浩子が入った。(天候:曇り 気温:20.7℃ 風速0.9m/s)
日本人選手最上位の3位。東浩子が新境地を開拓した。「今まで自分に対して、自信がもてなかった。だから、きょうはどんな結果でも、最後までベストを尽くすと死に物狂い。プロになって6年が経って、レギュラーツアーの3位は自己ベストです」と総括した。2番でバーディーを奪い、序盤は首位に立つ。しかし、「得意のインコースで3連続ボギーです。3日目まで、バーディーをとれたのに…。今までの私ならば、もうダメだ、とあきらめていたでしょう。でも、今回は気持ちを入れ替え、どんな状況でもしがみついた」。直後の15番で5メートルのスライスラインを読み切って、バーディー奪取に成功する。
今大会のプラスワン。3回のテーマはルーキーキャンプの参加者だった。その中から、無作為に3人を選出。三宅百佳と相対し、第一声が、「私、無名です。それでもかまいませんか」だった。ところが、今年の最終プロテストでは、目を引く装いが印象に残る。蝶ネクタイをつけていた。「私のお気に入りです。だから、勝負の最終日は絶対、これ、と決めていた。まわりの人からは、お笑い芸人みたい、といわれたことが、ちょっと複雑で…」とため息をつく。
イ ミニョン(2位:-3) 「難しかったのでミスしてもしょうがないなと、パーセーブできればいいと思ってプレーしました。優勝できそうな位置にいて、1打1打、緊張しながらやっていましたが、その中で急がずにテンポよくプレーできたのがアンダーパーに繋がったと思います。3勝目は自分がやろうとしてできるものではなく、神様からの贈り物だと思います。今は充実したツアー生活ができているので、楽しみながらやっていればチャンスがくると思うので、今後も頑張ります」。
50回目を迎えた『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(賞金総額2億円・優勝賞金3,600万円)大会3日目が9月9日、岩手県八幡平市・安比高原ゴルフクラブ(6,640ヤード/パー71)で行われた。アジアナンバーワンにふさわしく、ムービングデーは最高難度に。アンダーパーがわずかに5人というサバイバル戦の様相に変わった。通算3アンダーの首位タイは李知姫、東浩子。1打差の通算2アンダー、3位に藤田さいきがつけ、史上2人目の連覇を目指す鈴木愛がイーブンパー、6位タイからの逆転を狙う。(天候:晴れ 気温:25.6℃ 風速2.1m/s)
安比スペシャルがさく裂。首位タイへ浮上の李知姫は、今大会のために半年以上の準備を重ねてきた。9番のパー4。5Uを選択した、残り175ヤードの第2打はそのままカップインのイーグルだった。もし、優勝を飾れば、それこそ歴史的なワンショットである。「グリーンが高いところにあったので、入った瞬間を見ることはできません。でも、手応えから距離はドンピシャリ。良かったなぁと思います」。あまり知られていないことだが、今季から、フェードヒッターへ変身した。「今まで、ドローだったけど、限界を感じていた。コーチとも相談し、新たな挑戦をすることに…」。38歳の大ベテランでも、向上心は少しも衰えることがない。
一見、淡々としているように映る。それが最高峰のトーナメントでは、最大の強みだ。2010年のチャンピオン、藤田さいきは独自の調整で今大会へ臨んだ。「1日1アンダーで優勝争いに加われる。それがうまくいった。毎日、とても充実しています」という。この日は、通算イーブンパーで迎えた17番。左手前2メートルのバーディーを決め、最終18番の連続バーディーで一気に3位タイへ食い込んだ。「これだけセッティングが難しいと、とにかく耐えるしか手がありません。私は爆発的なスコアをたたき出すスタイルではない。だから、我慢比べがいいんですよ」。
ゴルフが人生を変える。ツアープロには当たり前の出来事だが、そうでない場合もあった。思い出の日本女子プロゴルフ選手権から、13年が過ぎようとしている。現在、五代恵未はルーキーキャンプに参加中。改めて2008年大会を振り返った。当時、日本体育大学の学生で、アルバイトで初体験のキャディーを。今回、競技委員の門川恭子が担当だった。
アジアナンバーワンを決定する『第50回日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(賞金総額2億円・優勝賞金3,600万円)大会2日目が9月8日、岩手県八幡平市・安比高原ゴルフクラブ(6,640ヤード/パー71)で行われた。通算4アンダーの首位に黄アルム、東浩子、柏原明日架が並んだ。3打差の通算1アンダー、4位タイは笠りつ子、川岸史果など4人。大混戦で9日からの決勝ラウンドを迎える。(天候:晴れ 気温:25.1℃ 風速3.7m/s)
自信回復。東浩子が今季初めて、首位で決勝ラウンドを迎える。トッププロが恐れを抱く狭いフェアウエイは絶対のアドバンテージ。今季のフェアウエイキープ率、2位というデータの裏付けもある。「フェアウエイを外したのはきょう、2回。1Wやショットの精度が私の生命線です。きのうの雨でグリーンが柔らかくなった。ピンを狙って攻めることができたから、いいプレーができたと思う。公式戦でいいスコアをマークしたことは、自信につながります」と表情は明るい。
首位を守った柏原明日架は、どんな状況でも淡々とプレーした。「毎ショット、新鮮な気持ちでアドレスに入る。たとえ、前のショットが良くても悪くても、リセットすることが大事です。もちろん、順位などは気にせず、自分にフォーカス」。とはいえ、序盤からボギーが先行する苦しい流れだった。「スタートの1番で3パット。3番のボギーだって、もったいないミスです。ミスは1日の中で、必ずくるもの。それを引きずらないことが重要でした」という。
言葉にすることは簡単でも、実行することは難しい。元サッカー日本代表で、J1ガンバ大阪で活躍するベテランの遠藤保仁の口癖に、「あす、できるはバカ野郎だ」がある。ルーキーキャンプ2日目を終え、笑顔で「ありがとうございます」と、スタッフへあいさつを繰り返す新人プロが、田村亜矢だった。
アジアナンバーワンを決定する『第50回日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(賞金総額2億円・優勝賞金3,600万円)が9月7日、岩手県八幡平市・安比高原ゴルフクラブ(6640ヤード/パー71)で開幕した。日没のためサスペンデッドとなり、2組4人がホールアウトできかなかったが、4アンダーで柏原明日架、一ノ瀬優希が暫定首位。1打差の3アンダー、3位タイはキムハヌルと岡山絵里がつけ、連覇を狙う鈴木愛は2アンダー、5位タイとまずまずのスタートを切った。
人にやさしく、自分に厳しい。この姿勢、プロには必要不可欠だが、時として思わぬ災いをもたらす。久々の首位で第1日を終えた一ノ瀬優希は、「いったい、何年ぶりになるか、思い出せない。公式会見に呼んでくださるのは…」。戸惑いの表情をのぞかせながら、やはりうれしそうだった。「最近、調子が悪い。CAT Ladiesからスイングを変えている。たとえ成績が出なくても、今やるべきことはちゃんと行う。ようやく、アンダーパーのプレーができた。そんな感じです。ただ、必死できょう1日、どんなプレーをしたのか、よく覚えていない。それほど集中していた証拠でしょう」と話していた。
右手人差し指に魂が宿る。一瞬が勝負だ。黒づくめがトレードマーク。コースを縦横無尽に移動する。その動き。まるで忍者を連想させる。「仕事では、ほとんど黒の服ばかりです。というのは、瞳に私の服が映り込んでしまうことがある。反射するものは身に着けない」。これが流儀だという。
キム ハヌル(暫定3位タイ:-3) 「昨日までは良くて、自信をもってラウンドをしていたんですけど、自信があるから力が入りました。まだ3日間ありますし、難しいので今週はトップ10が目標です」。 鈴木 愛(暫定5位タイ:-2) 「あんまりパッティングが良くなくて、前半もずーっとバーディーチャンスがきて入らないってパターンが続いたので、少しフラストレーションが溜まるラウンドだったんですけど、その中で上手くパーを拾えたところが多かったので、その辺は良かったと思います。よく我慢したラウンドだったと思いますし、思ったよりスコアが出てるのでもう少し伸びるのかなと思っているので、今日はすごく良いゴルフだったと思います」。
LPGA創立50周年の記念大会。アジアナンバーワンを決定する『第50回日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(賞金総額2億円・優勝賞金3,600万円)が9月7日、岩手県八幡平市・安比高原ゴルフクラブ(6,640ヤード/パー71)で開幕する。6日はプロアマトーナメント、LPGA公式記者会見が行われた。
プロ5年目の進化。鈴木愛は実力者らしいオーラを漂わせていた。「今年は今年です。一番のモチベーションは、今シーズンで最高賞金ということでしょうか。(賞金女王獲得へ)いいチャンス」。淡々と切り出した。今大会へ向けて万全の態勢を整えている。「前週までドライバーショットがいまひとつの感じだったけど、もう大丈夫。ただ、1ラウンドで3、4回、フェアウエイを外す、と想定しなければなりません。ラフへ行ったら、その時は無理をすることは禁物。しっかりとジャッジをします」と話した。
悪いことの後には、いいことがある。これは勝負の世界の常。今大会、公式戦3連勝へ挑む、キムハヌルは「体調は100パーセント」と自信満々に語った。前週、右肩痛を発症し、プロアマトーナメントを途中棄権するなど、予期せぬ故障に見舞われている。「実は…」と前置きして「宿泊していたホテルのベッドがとてもやわらかく、寝違えてしまった。それが原因。首痛から両肩へ痛みが広がったのです」と説明を。ただ、治療のかいがあり不安は解消した。もし、1週遅れていたら、それこそ一大事。
今年度のLPGA入会者がボランティアや大会関係者と共に大会運営のサポートを行い、その仕組みを深く理解する事で一社会人としての自覚を醸成される目的で毎年実施しているルーキーキャンプ。今年度から、トッププロのプロアマ大会時のお客様との接し方や、プレー方法などを学ぶ研修が追加され、勝みなみら28名のルーキーが実習を行った。