<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 安比高原ゴルフクラブ(岩手県)最終日
日本人選手最上位の3位。東浩子が新境地を開拓した。「今まで自分に対して、自信がもてなかった。だから、きょうはどんな結果でも、最後までベストを尽くすと死に物狂い。プロになって6年が経って、レギュラーツアーの3位は自己ベストです」と総括した。2番でバーディーを奪い、序盤は首位に立つ。しかし、「得意のインコースで3連続ボギーです。3日目まで、バーディーをとれたのに…。今までの私ならば、もうダメだ、とあきらめていたでしょう。でも、今回は気持ちを入れ替え、どんな状況でもしがみついた」。直後の15番で5メートルのスライスラインを読み切って、バーディー奪取に成功する。
そして、17番では、7メートルを沈めた。「新しい自分が見つかった気がします。それにしても、(李)知姫さんはすごかった。17番でしっかりとピンを攻める姿勢と、18番でも狙って、連続バーディー。勝負所で絶対に逃げない。間近で拝見し大変、勉強になりました」。淡々と振り返っている。ちなみに3位の賞金額は、1400万円。今季の通算獲得賞金が2463万6000円となり、初の賞金シード獲得がほぼ確実になった。「(賞金シードは)毎年、ボーダーラインにいながら、届かない。私を支えてくれた人たちが、『差は紙一重。実力は絶対にある。自分を信じて最後まであきらめなければシードは獲れるから』と励まし続けてくださった。今回は、それができたと思う。少しだけ、自信がわいてきたような気がします」と晴れ晴れとした表情を浮かべている。
その直後、「本当は、私、泣きたい気分ですけどね」と、一筋の涙がほほをつたう。次週、マンシングウェアレディース東海クラシックは当初、出場権がなかった。が、直近上位3位の資格で出場が決定。頑張った選手に、ご褒美が待っていた。72ホールの死闘で養った精神力。これぞ、一生の財産となることは間違いない。