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日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 安比高原ゴルフクラブ(岩手県)3日目
一見、淡々としているように映る。それが最高峰のトーナメントでは、最大の強みだ。2010年のチャンピオン、藤田さいきは独自の調整で今大会へ臨んだ。「1日1アンダーで優勝争いに加われる。それがうまくいった。毎日、とても充実しています」という。この日は、通算イーブンパーで迎えた17番。左手前2メートルのバーディーを決め、最終18番の連続バーディーで一気に3位タイへ食い込んだ。「これだけセッティングが難しいと、とにかく耐えるしか手がありません。私は爆発的なスコアをたたき出すスタイルではない。だから、我慢比べがいいんですよ」。
前週は連戦続きということで、オープンウイークに充てた。「クラブは握っていない。トレーニングはしたけど、休養です。いつも自宅にいる母を誘って、久々に外食を。女同士でゆっくりとご飯を食べる。すごく良かった」とうれしそうに話している。決戦前の戦士には、心の休日が何より必要だった。「ここ4年ぐらい、両親の病気、私も3年前に子宮頸がんの手術を受けた。ゴルフをやめたい。何度、そう思ったか…」。言葉にしたのは、迷いが解消した証だと思う。
「細かく、コースマネジメントをすることはない。実際、フェアウェイにボールを置こうとか、そういうことをしていない。ラフへ入っても対応できる。だって、私には経験があります」。強い意志を感じた。名手の技がそれを支える。