<Photo:Matt Roberts/Getty Images>

50回目を迎えた『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(賞金総額2億円・優勝賞金3,600万円)大会3日目が9月9日、岩手県八幡平市・安比高原ゴルフクラブ(6,640ヤード/パー71)で行われた。アジアナンバーワンにふさわしく、ムービングデーは最高難度に。アンダーパーがわずかに5人というサバイバル戦の様相に変わった。通算3アンダーの首位タイは李知姫、東浩子。1打差の通算2アンダー、3位に藤田さいきがつけ、史上2人目の連覇を目指す鈴木愛がイーブンパー、6位タイからの逆転を狙う。(天候:晴れ 気温:25.6℃ 風速2.1m/s)

さぁ、親離れ、子離れ。「ここでやらなければ、どこでやるの」と、首位で最終日を前に東浩子は、闘志をたぎらせた。2番で1.5メートルのバーディーパットを沈め、幸先の良いスタートを切ったこの日。しかし、その後は3、5、6番で3ボギーと後退する。これまでは崩れるパターンだったが、9番でピン横2メートルの微妙なラインを読み切って、ナイスパーをセーブした。再び、エネルギーが体内に満ちてくる。「とにかく耐える。自分のプレーに集中すればいい」。プロ6年目の新境地だった。

通常、上位争いには、岡山から両親が駆けつける。愛娘の晴れ姿を見ることは、それこそ何物にも代えがたいに違いない。ところが、東は、「2日目が終わって、母と電話で話していたら、見に来る-。私って、ええ格好しいのところがあります。両親をコースで見ると、ついいいところを披露しないと…。そんな一面があるから、岡山で見守ってほしい、とお願いした。自分の力で頑張りたい」。ライバルがうらやむ、正確無比のショットをアドバンテージに、ツアー初Vへ挑む。ゴルフは孤独のスポーツ。両親の声援よりも強い精神力を選択した。